小学生から十数年サッカーを続けてきて、そして今一つの区切りを迎えようとしている。サッカーを通じて色々な選手と関わってきた。技術の高い選手、足が速い選手、競り合いの強い選手… 本当に多くの選手と一緒にプレーをしてきたが、その中で最近感じることがある。すなわち、それら全てのプレーは結局のところその選手の性格、メンタリティに依拠するところが最も大きいのではないか、ということである。技術が高くてもボールを怖がらず持たなければ意味がないし、足が速くても仕掛けなくてはそれを活かせない。
自分のプレーと性格の関わりについて考えてみる。自分は良く言えば慎重、裏を返せば緊張しいで臆病な性格だと認識している。用事があるときは何回も電車の時間を調べてしまうし、就活時に面接があれば不安から何時間も準備をしていた。そんな自分の性格は、サッカーにおいては良くない方向に向かってしまうことが多いと感じる。試合の入りに際して、どうしてもアグレッシブにプレーできず、ミスをしたくない一心から消極的になってしまう。相手に押し込まれている時間ではなかなか自分の良さを出すことができない。中学、高校、大学と抱え続けている自分の悪癖である。
しかし、今季は少しだけその傾向が治ってきていると感じる瞬間が時々あった。相変わらず試合の入りはあまりよくないものの、一試合を通じて自分なりに立て直すことができるようになった。いわゆる「沼」にはまることがなくなったのである。
今年はレベルの落ちた2部でプレーしていることも一因かもしれない。だが自分なりに考えて、やはり昨季の最終節、降格が決まった東海大学戦が自分の中で一つの転機になっていると感じる。負ければ降格というプレッシャーのなか、後半交代した自分は委縮して前を向いてプレーできず、何も残すことができなかった。5年目の先輩に対し不甲斐なさを痛感すると共に、これが自分の代の引退でなくてよかったと思ってしまった。あの試合の後悔は今でも残っている。
6年目のキーパーの先輩に、試合中「泰生ビビンバ!(ビビんな)」と叱咤されたことを思い出す。GKとして後ろからチームを見守っていた先輩にとって、怖がって前を向けずにバックパスを繰り返す後輩はさぞ歯がゆかったに違いない。
やらない後悔よりやった後悔を。もう今年の公式戦は来週しかない。ビビッて試合に入って、後半慣れてやっと調子が上がってきたところで試合終了、なんてことには絶対したくない。
相手は4年間で一度も勝ったことがない岩教。不安も緊張もある。しかし自分がミスをしても頼れる仲間が助けてくれるし、その逆も然り。今はやるしかない、という気持ちしかない。
4年間で一番熱い試合、がむしゃらに食らいついていきたい。
#99 雪谷泰生
0コメント